「何の節約をしていますか?」の質問に「食費」と答える人が多かった。
年金生活で、一貫して大事だと思っていることがある。
それは、老後は食を削らないことである。
年金受給者の方と話していると、食生活が豊かな人ほど、笑顔が多く、生き生きしているように感じる。高級なものを毎日食べているという意味ではない。旬のものを少し取り入れたり、好きなものを楽しんだり、自分で作った料理を「おいしい」と感じながら食べている。そういう人は、表情が明るいのである。
一方で、節約のために食事がインスタント食品ばかりになったり、お惣菜に偏ったり、一人でただ空腹を満たすだけの食事になってしまうと、どうしても元気がなく見えることがある。
最近は物価高の影響で、今まで豆から淹れていたコーヒーをインスタントに変えたとか、チョコレートが高いからチョコ風味のお菓子で我慢している、という話も聞く。もちろん家計を守る工夫は大切である。しかし、楽しみまで全部削ってしまうと、心まで細ってしまう。
社労士みなみの『年金最大化生活』でも言っているのだけど、
食は大事なので削らないで欲しい。
食費は削りやすい。
しかし、栄養まで削ってしまえば本末転倒である。また、生活の豊かさも失ってしまうことになる。
そこで主婦歴20年以上の私がやっていることのだが、これで食費はかなり節約できる。
「食品ロス」=「お金を捨てている」という事実
食品ロスによる経済損失は、なんと1世帯あたり年間 約6.5万円!
(水道代などの家計支出を上回る規模です)
- 全国合計:約4.0兆円(1トンあたり約85万円の損失)
- 国民1人当たり:年間 約31,814円
▼ 家庭から出る食品ロスの内訳
- 直接廃棄(約43%):賞味期限切れなどで手つかずのまま廃棄
- 食べ残し(約43%):食卓に出たものを食べきれず廃棄
- 過剰除去(約16%):野菜の皮や芯など可食部をむきすぎ
データを見ると、「直接廃棄(手つかずのまま捨てる)」が非常に多いことがわかる。
買ったことを忘れていた食材。
使い切れていない調味料。
賞味期限が近い食品。
こうしたものを捨ててしまうことは、残念ながら現金をゴミ箱に捨てているのと同じなのである。
そこで見直したいのが、冷蔵庫や棚の中で眠っている食品だ。
「無駄をなくすためには、1週間分の献立をきっちり考えなきゃダメ?」とプレッシャーに感じるかもしれない。
たしかに、計画的な献立を立てるのもいいが、それはハードルが高いという人も多いだろう。毎日のご飯作りで完璧を目指して疲れてしまう気持ちは、私も痛いほどよくわかる。
だからこそ、無理な計画はしなくていい。
ここからは、主婦歴20年以上の私が実践している「日々1分でできること」を中心に、頑張らずに食費を下げる方法をお伝えしよう。
私がやっている方法はシンプル(まずやるべき行動3つ)
【1】家族に「今日何食べたい?」と聞きすぎない
聞くと希望が増え、足りないものを求めて結局買い物に行くことになる(=余計な出費と食べ残しの原因に)。
まずは家にあるもので作ることを考える。
【2】自分の「今日はこれが食べたい」という気分に流されすぎない
直接廃棄(約43%)を防ぐためにも、「期限が近いものから使う」と決める。
【3】1日1分だけ冷蔵庫や棚を整理する
全部片づけなくていい。
今日は調味料だけ、明日は冷蔵庫の一段だけでいい。
期限が近いものを見つけたら、ネットで
「食材名 レシピ」
と調べる。買い足さなくても、一品作れることが多い。
買い物の回数が減れば…
- 余計な出費が減る。
- 約6.5万円にも及ぶ「食品ロス」の損失も減る。
節約は我慢ではない。
今あるものをムダにしない工夫である。
食費を削る前に、まずは冷蔵庫の中を見る。
これだけでも、食費の支出はかなり変わるのである。
賞味期限切れもないし、在庫はきっちり管理しているという人はどうすればいい
そういう人におすすめしたいのは、食を「節約の対象」ではなく「楽しみ」に変えることである。
外食やお惣菜に頼りすぎず、冷蔵庫にあるもので自炊する。今は食材名を入れて検索すれば、簡単なレシピがたくさん出てくる。余った食材も冷凍すれば、無駄なく使える。
さらに、電気調理器を覚えるのもおすすめである。私が使っているクックフォーミーは本当に便利で、材料を入れてボタンを押すだけ。豚の角煮、ビーフシチュー、ローストビーフのような難しそうな料理も、ほったらかしでおいしくできる。
食費を削るのではなく、食材を無駄にしない。
我慢するのではなく、作る楽しみに変える。
これが、老後の食の節約でいちばん大事な考え方である。
食を楽しむことは、健康を守ることでもある。体が元気なら、医療費の節約にもつながる。何より、毎日の食事に小さな楽しみがあるだけで、暮らしの満足度は大きく変わる。
『年金最大化生活』でもお伝えしているように、老後のお金は大切である。
しかし、そのお金は、我慢するためではなく、健康で楽しく生きるために使うものである。
だからこそ、老後は食を削りすぎない。
安さだけで選ぶのではなく、心と体が喜ぶ食べ方を工夫する。
それが、年金生活を豊かにする第一歩である。


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