【動画】おひとりさまの入院対策|保証人なし・家族なしでも困らないための公的支援と事前準備

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最近、「おひとりさまが入院するとき、身元保証人がいなかったらどうなるの?」
というご質問をいただくことが増えています。

そこで、入院時の身元保証人について動画で解説しました。

その中でいくつか質問をいただいたので、お答えします。

今回いただいたご質問

「入院時の医療同意権は、家族にも成年後見人にもないというのは初めて知りました。

私はおひとりさまなのですが、事故などで意識がなくなった場合や、認知症になった場合に、
延命治療を希望しない、あるいは特定の治療を希望しないという意思を、事前にどう残しておけばいいのでしょうか。

遺言書のような公的な証書が必要なのでしょうか。エンディングノートには効力があるのでしょうか」

まず知っておきたいこと


家族や成年後見人だからといって、法律上当然に「医療同意権」があるわけではありません。

これは、意外に知られていないところです。

では、なぜ成年後見人にも家族にも明確な医療同意権がないのか。
厚生労働省のガイドラインなどをもとに整理してみます。

1.成年後見人に医療同意権がない理由

① 成年後見人の役割には限界がある

成年後見人の主な法律上の役割は、
本人の財産管理や契約手続きです。

たとえば、

  • 預貯金などの財産管理
  • 福祉サービスの契約
  • 入院に関する契約手続き

などを行います。

一方で、

手術や治療を受けるかどうかを本人に代わって決める権限まで与えられているわけではありません。

② 医療への同意は「本人自身」に深く関わるもの

医療行為への同意は、ご本人の身体や命に直接関係します。

そのため、
本人自身の意思が特に尊重されるべき事柄
と考えられています。

2.家族にも法律上の明確な医療同意権があるわけではありません

① 「家族が代理で同意できる」と一律に定めた法律はない

患者本人が意思表示できなくなった場合、
「家族であれば本人に代わって医療行為に同意できる」
と一般的に定めた法律があるわけではありません。

② 医療現場では家族に確認することが多い

実際の医療現場では、家族に説明し、
同意書への署名をお願いすることがあります。

ただし、

家族に法律上の包括的な「代理同意権」があるから、という単純な話ではありません。

3.本人が判断できなくなったら、治療はどう決めるの?

では、本人が認知症や事故などによって意思表示できなくなった場合、
誰が治療方針を決めるのでしょうか。

重要なのが、

「本人の意思をできる限り推定しながら、医療・ケアチームで話し合う」

という考え方です。

① 医療・ケアチームで話し合う

医師や看護師だけでなく、必要に応じて、

  • 家族
  • ケアマネジャー
  • 成年後見人
  • その他、本人をよく知る関係者

などから情報を集めます。

② 本人が以前どんなことを話していたかを大切にする

たとえば、

  • 「延命治療は望まない」と話していた
  • 「できるだけ自宅で過ごしたい」と話していた
  • どのような人生観・価値観を持っていたか
  • どのような治療を希望していたか

といった情報をもとに、
本人ならどう考えるだろうか
という視点で検討します。


もし本人が、自分の希望を伝えられなくなったら?

もし本人が、病気や事故で自分の希望を伝えられなくなったらどうなるのでしょうか。
成年後見人に医療同意権がなくても、そこで支援が止まるわけではありません。
実際に、周囲の人たちがどう本人の意思を支えるのか、イメージで見てみましょう。

言葉で希望を伝えられなくなったAさんを医療・介護・福祉のチームで支える事例


つまり、大切なのは「本人が元気なうちに、自分の希望を周囲へ伝えておくこと」です。

4.おひとりさまは、どんな準備をしておけばいい?

では、具体的にどのような準備をしておけばよいのでしょうか。

厚生労働省が示している意思決定支援の考え方などを踏まえると、
大きく分けて次の3つが重要です。

① 「事前指示書」やエンディングノートに書いておく

たとえば、

  • 心肺蘇生を希望するか
  • 人工呼吸器を希望するか
  • 胃ろうなどの栄養方法についてどう考えるか
  • 延命治療についてどう考えているか
  • 最期をどこで過ごしたいか

などを、
できるだけ具体的な言葉で残しておくことが大切です。

エンディングノートを書いただけで、
すべての医療行為が自動的にその内容どおりになる、というものではありません。

ただし、
本人の希望や価値観を医療・ケアチームが知るための重要な手がかり
になります。

② 自治体や社会福祉協議会などの説明会を利用する

地域によっては、

  • 社会福祉協議会
  • 成年後見センター
  • 自治体

などで、終活や意思決定支援、エンディングノートなどについての
説明会や相談を行っている場合があります。

③ 信頼できる人に「書類の存在」を伝えておく

ここが、とても大切です。

せっかく書類を作っても、

誰もその存在を知らなければ、緊急時に医療機関へ伝わらない可能性があります。

友人やケアマネジャー、将来関わる支援者などに、

「万が一、私が意思表示できなくなったときには、この書類があることを医師に伝えてください」

とお願いしておくのも一つの方法です。

5.身寄りがなくても、自宅に戻れるケースがあります


「家に帰りたい」という希望は、かなえられる?

身寄りがなく、認知症があっても、
「住み慣れた家に帰りたい」という希望をかなえられる場合があります。
大切なのは、一人で抱え込まず、医療・介護・福祉が早めにつながることです。
こちらは、退院後の暮らしまで支援につながった事例です。

80歳・認知症・一人暮らしのCさんが支援を受けて自宅復帰した事例

6.では、身寄りがないときはどこに相談すればいい?

「保証人がいないとき、誰に相談したらいいの?」

ここが一番困るところかもしれません。


困ったときの相談先を知っておきましょう

では実際に、身寄りがない場合はどこへ相談すればよいのでしょうか。
病院、地域包括支援センター、社会福祉協議会など、状況によって相談先は変わります。
まず知っておきたい主な公的窓口を、一覧にまとめました。

身寄りがない方を支える公的な相談窓口

7.「65歳未満だと地域包括支援センターで対象外」と言われたら?

この動画について、こんなコメントもいただきました。

「入院の身元保証などについて、民間のサポート会社ではなく公的な窓口に問い合わせたところ、
65歳未満の人は対象外と言われて困っています」

確かに、
「とりあえず地域包括支援センターへ相談」
と言われることがあります。

しかし、地域包括支援センターは基本的に
高齢者の総合相談窓口です。

そのため、65歳未満の場合には別の窓口につながることがあります。


相談先は「年齢」や「困りごと」で変わります

● 65歳以上
地域包括支援センター

市区町村の介護保険・高齢者担当窓口

● 18歳以上65歳未満で、障害福祉の支援が必要な場合
基幹相談支援センター

市区町村の障害福祉担当窓口など

つまり、

65歳未満だから「相談先がない」というわけではありません。

8.年齢にかかわらず、困りごと別に相談できる窓口もあります

年齢だけで相談先を決めるのではなく、
「何に困っているのか」
によって相談先を探すことも大切です。

困っていること 主な相談先
生活全般に困っている 生活困窮者自立支援制度の相談窓口
医療費や生活費を払うことが難しい 福祉事務所
生活保護などの相談
お金の管理や福祉サービスの手続きが難しい 社会福祉協議会
日常生活自立支援事業など
経済的な理由で病院にかかることが難しい 無料低額診療事業を実施している医療機関

9.「保証人も、お金もない」場合はどうなる?


「保証人がいない」「お金もない」それでも相談してください

「保証人がいない」「お金もない」そんな場合でも、
すぐに諦める必要はありません。
病院の相談窓口から福祉制度につながることで、
治療を受けられるケースもあります。
63歳・一人暮らしのBさんの事例を見てみましょう。

63歳・一人暮らしで保証人もお金もないBさんが公的支援につながった事例


おひとりさまこそ「元気なうちの準備」が大切

「家族がいないから、どうしよう」

と不安になる方も多いと思います。

ですが、


自分の希望を書いておく。
信頼できる人に伝えておく。
困ったときに相談できる公的窓口を知っておく。

この3つを準備しておくだけでも、
いざというときの安心感は大きく変わります。

動画でも詳しく解説しています

おひとりさまの入院時の身元保証人について、
動画でも詳しく解説しています。

参考になれば幸いです。